看護師はキャリアアップするうえで、上級資格の取得が欠かせません。上級資格には認定看護師のほか、専門看護師や診療看護師などがあります。
認定看護師は、一般看護師が特定の看護分野で実務経験を重ね、研修を受けて認定試験に合格することにより得られる資格です。認定看護師になれば、高度の看護スキルを生かして現場で指導的立場に立てるでしょう。認定看護師の看護分野は21種類ありますが、統合や追加が図られ31分野まで増やされることになりました。
そして、特定行為研修を修めることにより、特定認定看護師という資格も増設されています。特定行為研修とは、医師の包括的指示さえあれば、看護師独自の判断で注射や摘便といった医療行為を行える資格のことです。特定行為研修を受けない看護師は、医師の具体的指示がないと医療行為に関われません。
また、看護系の大学院卒業単位の修得者は、専門看護師の資格取得が可能です。専門看護師の資格取得についても、13種類の専門分野で実務経験を経てから研修を受け、試験に合格する必要があります。
さらに、医師の負担を減らすため、診療看護師という資格も設けられました。診療は医師のみに認められた行為でしたが、現場の医師の手が回らない場合など、看護師も診療できる制度が設けられています。
このような上級資格を取得した看護師は、キャリアアップに資格を生かせるだけでなく、現場の看護師と医師のパイプ役になったり、医師不足を補う貴重な即戦力として医療に貢献できるでしょう。
認定看護師は、日本看護協会が認める免許の一つです。看護師として最もポピュラーなキャリアアップといえます。認定看護師は特定分野について豊かな知識や技術を生かして働きます。
認定看護師の分野は、現在21種類が設置されておりそれぞれに更新制がとられています。更新は5年ごとです。認定看護師免許を取得するためには、その前段階で積まなければならないキャリアがあります。実務研修5年以上で、そのうちの3年以上が認定を受けようとする看護分野でなければなりません。
その後、認定看護師教育機関で6カ月間、615時間以上の課程を修了する必要があります。そのうえで認定審査に合格して認定看護師として認定されるのです。
認定された分野によって、就職先や看護の種類も変わってきます。例えば救急看護や集中ケアといった分野であれば、救急病院や一般病院の救急外来などで働きます。
認定看護師にはこのような病院勤務分野だけではなく訪問看護、透析看護、不妊症看護などの分野もあります。訪問看護の認定を受けた場合には訪問看護センターに就職するのが一般的です。透析看護の場合も透析センターへの就職が多くなります。
不妊看護分野なら不妊治療専門クリニックなどの勤務も考えられます。認定看護師であっても、その資格に特化したところで働かなければならないという決まりはないので、特定分野以外への就職も可能です。認定看護師の免許を取得するためには、実務経験に加えて終了しなければならない過程もあります。
早い時期に目標を決めて経験を積んでいくことで、効率的なキャリアアップを進めることができます。